書名 児童文学と怪異伝承
サブタイト よみがえる異界の記憶
著者

田中瑩一

本体価格 2500円
ISBN978-4-8382- 3437-0
発行年月 2026年4月15日
判形・製本 46判・上製・180ページ
在庫情報

本書は、児童文学と怪異伝承の本質について、語りかけるように紹介する。アニメも含む多くの児童文学作品を取り上げて、子どもの描き方がいかに変遷してきたかをとく。特に、松谷みよ子の作品を分析して、「モモちゃんとアカネちゃん」シリーズに描かれる家族の成熟と、伝承によってつながる記憶の持つ意味を考える。怪異伝承とよばれる「雪女」をはじめとした、ラフガディオ・ハーンが書き残した怪談と、地域で収集した民間伝承とを幅広く取り上げて、伝承を語り継ぐことの意味の重要性について視線をそそぐ。

目次

I 児童文学に描かれた子ども像―大人は子どもにどうかかわるか
1 「となりのトトロ」から「千と千尋の神隠し」へ
2 巌谷小波の『こがね丸』と若松賤子の『小公子』
3 小川未明の『赤い蝋燭と人魚』
4 千葉省三の『ションベン稲荷』
5 新美南吉の『うた時計』
6 松谷みよ子の『モモちゃんとアカネちゃん』
7 E・J・キーツ(米)の絵本『ピーターのめがね』
II 松谷みよ子の「モモちゃんとアカネちゃん」 ― 家族の成熟と「いのちの流れ」
1 「みんな大きくなりました」
2 母子関係の変容と家族の成熟ー支配的関係から相互的関係へ
3 「いのちの流れ」││「血」から「伝承」へ
4 登場人物「プー」に託されたもの ―「幼年童話」の方法と自己確認の諸側面
III ラフカディオ・ハーンの「雪女」 ―ハーンは伝承民話をどう聞いたか
1 「雪女」の原話とハーンの構想
2 「愛は死よりも強し」 
3 記憶を抱えて生きるということ
4 「橋の上」
5 「浜村温泉の未亡人の話」
6 「お貞の話」
IV 「雪女」と「人魚姫」 ―二作品重ね読みの試み
V 語りのなかの怪異と妖怪 ―見えるものと見えないものと
1 「蛇と蜂」「蛇と蝦(ひ)蟇(き)」
2 「あせぶの万の息子」「阿(あ)瀬(せ)川(ご)の万」──『遠野物語』への照射 
3 「炭焼き小屋に来る女」「舌抜き女」│類話の射程 
4 「語りのなかの妖怪」と「創作のなかの妖怪」│ハーンの「雪女」
5 金十郎の「雪女」とハーンの「雪女」 
VI 伝承民話を語り継ぐ― 伝承表現の自覚的な継承
1 「どこのどいつだ」(昔話「竹伐り爺」)
2 「あっちんたんホーキ」(昔話「犬子話」)
3 「猿どびゃまくれても、地蔵どびゃまくれんな」(「昔話「猿地蔵」)
4 「おはよう」「おはよう」(「凍った声」)
5 「とんとんのとん造さん」(「呼び子」)
あとがき



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