書名 古代仏教説話の方法
シリーズ名 三弥井研究叢書
著者 永藤靖
本体価格 9500円
ISBN4-8382- 3120-2
発行年月 平成15年3月
判形・製本 A5判・上製
在庫情報
記紀・風土記といった神話あるいは古代説話が、次の時代の仏教説話にどのように受け継がれ、変質していったのか、また一見純粋な仏教世界を表現していながらその奥に隠れ眠っている語りの深層を探る。
第一編 日本霊異記の世界
 景戒の歴史意識と御霊の発生―『日本霊異記』下巻・第三八縁を読む─
  一 因果と予兆について/二 夢と死について/三 因果の果てに
 古代都市と御霊―怨霊から御霊信仰へー
  一 マジナイ・タタリ・怨霊/二 怨霊から御霊へ/三 御霊の生まれる場所
 引き裂かれる〈性〉
  一 松になった男女/二 人目を忍ぶ男女/三 食卓の風景/四 象徴としての乳房
 聖なる病あるいは女性の身体性について
   ─『日本霊異記』下巻・第一九縁をめぐって─
  一 卵生型説話/二 古代の病気観/三 尼と巫女/四 性とケガレ/五 仏教の女性観
 『日本霊異記』の新しい読みの試み
  一 広虫女はなぜ二度死ぬのか/二 峠の荒ぶる神/三 祭司とシャーマン
  /四 殺生をする男/五 読者の登場/六 身体としての王権―祓いの構造―
第二編 法華験記の世界
 「霊異」から「験」へ 
  一 霊異と験の位相/二 神話的な力と経典の力/三 神話的祖型の変容
 鎮源の方法
  一 睿実型の絶望とアイロニー/二 「浄」と「穢」の決定論
 『法華験記』と夢の力―往生人の夢―
  一 殯と夢/二 地獄と極楽/三 往生人の夢/四 極楽の幻想
  /五 勧学会と美的世界/六 往生の方法化か/七 夢の共同性/[付論]
 『法華験記』の山の持経者―山岳信仰のコスモロジーー
  一 山における(聖)と(穢)/二 洞窟・岩・樹木/三 山の動物立ち
  /四 (山)と(里)の往還/五 狂言と狂事の世界
 『法華験記』と愛太子山―トポスとしての愛宕山―
  一 『法華験記』の愛太子山/二 愛太子山の原像/三 叡山と愛太子山
  /四 境界としての山
 僧の誕生する時―『法華験記』に見る六道輪廻譚―
  一 牛のことばを聞く僧/二 僧はどこから来てどこへ行くのか
  /三 都市と山林の修行僧/四 今という時間のなかで
 『法華験記』のさまざまな持経者たち
  一 古代奥州のの持経者―『法華経験記』に見る哀しみと救済―
  /二 播州の盗人と観音―弁慶伝説の祖型―/三 白米の幻想
 殺生と肉食―『法華験記』第七三浄尊法師についてー
  一 霊異記の肉食と殺生/二 浄と穢/三 浄尊説話の実体
  /四 浄尊説話の変容/五 差別意識の発生
 遺体と異香の幻想―『法華験記』の身体観―
  一 臨終の奇蹟/二 燗壊する肉体/三 屍体の穢れ/四 往生院と別所
  /五 異香の効用/六 誦経する髑髏
 『法華験記』と女人往生譚―身体と試練と統御―
  一 女性の理想像/二 家族の中の役割/三 過剰なる性/四 身体の統御
 苦悩する神々―『法華験記』の異類―
  一 国司に生まれ変わった猿/二 逃亡した道祖神
付論
 琉球八社の信仰とその背景―観音信仰とニライ・カナイー
  一 琉球八社の概要/二 補陀落渡海の信仰/三 洞窟と観音/四 女神の髪
  /五ビジュル あるいは物言う石/六 ニライ・カナイから海外の世界へ



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