日本の歴史の中で、幾度となく蓄積されてきた災害・事故の経験と記憶を、「語り」という伝承文化の在り方そのものから捉えなおす。災害・事故に向き合い、言葉によって、語り継ぐ先人の営みとその意味を考える。

【目次】
東日本大震災から学ぶ
東日本大震災と原発事故―人間なき復興　原発避難と「不理解」をめぐって―（山下祐介）
津波常習地の生活文化（川島秀一）
歴史の災害から学ぶ
近世の飢饉・災害について考える―東北地方（八戸藩）の天明の飢饉を中心に―（菊池勇夫）　
足尾銅山鉱毒事件―田中正造没後百年―（菅井益郎）
災害のフォークロアから学ぶ
浅間山噴火と被害記憶（花部英雄）
自然災害とフォークロア （齋藤君子）
説話・伝説から学ぶ
災害を語る民間説話の世界（松本孝三）
伝説の中で災害はどう語られたか （藤元奈緒）