書名 民俗学と現代 批評の宝石たち
シリーズ名
著者 石井正己
本体価格 1980円
ISBN978-4-8382- 9077-5
発行年月 平成20年12月
判形・製本 四六判・上製
在庫情報

『遠野物語』研究の第一人者である著者が、アカデミズムとしての民俗学から飛び出し、遠野市の『遠野物語』を利用した町づくり、庶民の生活をみつめる実践の学に象徴される日本の民俗を今一度見つめ学ぶために、新聞、雑誌、メディアを通して「遠野」「柳田国男」「昔話」「民俗学」をテーマとして、人々に語りかけた声の一つ一つや集成した書籍等の書評集。埋もれ行く良書の発掘、紹介に心をくだき、民衆と乖離してしまった民俗学と現代をつなぐブックレビューとしてほしい一冊。

【目次】
はじめに──批評の宝石たち
T 実践する学問
昔話って何だろう?/柳田国男と昔話/「怪談レストラン」への御招待/怪談の系譜/森脇太一文庫展の開催に先立って/国際理解教材としての「アジア心の民話」/グローバリズムのなかの口承文芸/口承文芸研究の未来のために/新渡戸稲造の手紙/『文章世界』に載った柳田の書簡/柳田国男の短歌/柳田国男と連句のこと/「をがさべり(男鹿風景談)」の初出/柳田国男の書き入れ考──大藤ゆき『児やらひ』/索引から見た柳田国男/後藤総一郎の宿題/現地で読む『遠野物語』/岩手の文化といのち/学校に出たザシキワラシ/『台湾文化志』発行の前夜/日本のグリム・佐々木喜善展/時代を越える『老媼夜譚』/昔話の言葉──『老媼夜譚』の漢語/『聴耳草紙』の挑戦/笑い話の位置/遠野昔話の原点/小友の話を求めて /「上閉伊今昔物語」の重要性/『ふるさと粡町』発刊の意義/川柳の新たな挑戦/ネフスキー旧蔵の『遠野物語』/『遠野物語の誕生』文庫版に寄せて/萩中美枝著『アイヌ文化への招待』発刊に関わって
U 誘惑する書評
保坂達雄著『神と巫女の古代伝承論』/兵藤裕己著『平家物語の歴史と芸能』/永井彰子著『日韓盲僧の社会史』/橋本裕之著『演技の精神史──中世芸能の言説と身体』/徳田和夫編『お伽草子事典』/谷川健一著『柳田国男の民俗学』/後藤総一郎監修・遠州常民文化談話会編『見付次第/共古日録抄』/後藤総一郎監修・立川柳田国男を読む会編『柳田国男の武蔵野』/松本三喜夫著『柳田国男と海の道──『海南小記』の原景』/伊藤純郎著『柳田国男と信州地方史──「白足袋史学」と「わらじ史学」』/田中正明編『柳田国男の絵葉書──家族にあてた二七〇通』/高木昌史編『柳田国男とヨーロッパ──口承文芸の東西』/持田叙子著『折口信夫 独身漂流』/網野善彦著『古文書返却の旅──戦後史学史の一齣』/長浜功著『日本民衆の文化と実像──宮本常一の世界』/香月洋一郎著『記憶すること・記録すること──聞き書き論ノート』/岩田重則編『赤松啓介民俗学選集 第3巻 口承文芸と民間信仰』/野村純一著『昔話の森──桃太郎から百物語まで』 /野村純一著『新・桃太郎の誕生──日本の「桃ノ子太郎」たち』/野村純一編著『柳田国男未採択昔話聚稿』/野村純一編・清野照夫写真『〔定本〕関澤幸右衛門昔話集──「イエ」を巡る日本の昔話記録』/川森博司著『日本昔話の構造と語り手』/吉川祐子著『遠野昔話の民俗誌的研究』/内藤正敏著『東北の聖と賤 民俗の発見T』/杉浦邦子編著『土田賢媼の昔語り──口から耳へ耳から口へ』/竹原威滋著『グリム童話と近代メルヘン』 /渡辺洋子・岩倉千春編訳『アイルランド 民話の旅』/小澤俊夫教授喜寿記念論文集編集委員会編『昔話研究の諸相』/小池ゆみ子・小林美佐子・田中浩子・丸田雅子編『正部家ミヤ昔話集』/遠野市立博物館編『遠野の民俗芸能──シシ・シカ・ゴンゲン』/市川民話の会調査・編集『市川の伝承民話(第六集)』/池田香代子・大島広志・高津美保子・常光徹・渡辺節子編著『走るお婆さん』/萩中美枝・奥田統己・八重九太郎編『八重九郎の伝承(5)』/武田正著『やまがた子ども誌 わらべうた』/高橋はじめ著『雪ふる里の昔語り むがしこあったぞん』/川島秀一著『憑霊の民俗』/安田宗生編『美當一調・桃中軒雲右衛門関係新聞資料』/無声映画鑑賞会編・マツダ映画社監修『活動弁士──無声映画と珠玉の話芸』/矢野敬一著『「家庭の味」の戦後民俗誌』
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