書名 | 紅は濡れて色増す 土佐 風流踊と歌謡の歴史 | |
サブタイトル | 消滅する呪的心性 | |
著者 | 井出 幸男 | |
本体価格 | 10000円 | |
ISBN978-4-8382- | 3423-3 | |
発行年月 | 2024年12月13日 | |
判形・製本 | A5判・上製・554ページ | |
在庫情報 | 有 | |
風流踊の成立と民俗歌謡の展開を跡づけ、「花」と「歌」の歴史的本意を究明。 衰退する民俗芸能の史的実態、ことに呪的心性の消滅に迫る。 |
||
【目 次】 序のことばに代えて ―表題と口絵「紅は濡れて色増す」の意味― 序章 民俗の「歌と踊」をめぐる視線 ―土佐に伝わる資料を拠り所として― 一 衰滅する「学問と民俗」の宝庫 二 夏目漱石「坊ちゃん」の眼差し 三 『巷謡編』に見る鹿持雅澄の眼差し 四 法令に見る為政者の眼差し 五 日記に見る僧・井上静照の眼差し 六 明治維新(神仏分離・廃仏毀釈)の激動 七 明治生まれの古老の眼差し―聞き書きのことばに学ぶ 第一章 柴折薬師の「男女問答」 ―土佐の歌掛け伝承の先駆けを顧みる― 一 はじめに 二 研究史を振り返って 三 忘れられた新聞記事 四 土佐の恋愛習俗「やまとことば」 五 残された課題 第二章 土佐における歌掛け伝承 ―見渡しと課題、「山歌」と「花取踊」― 一 はじめに 二 忘れられた新聞記事とその周辺 三 「やまとことば」の周縁、「さとり草」と「判じ物」 四 「やまとことば」研究と土佐における成立状況 五 婚姻儀礼における道塞ぎ 六 文献(『巷謡編』)に遺る歌掛け伝承、「山歌」と「花取踊」 第三章 「花取踊」とは何か ―その生成と展開、本質を探る― 一 はじめに 二 「花取踊」の基本的な態様 三 「花取踊」の始原 四 踊歌に見る古風な民俗伝承 五 「花取踊」の形成と修験道 六 土佐における「花取踊」の展開 第四章 「花取踊」の流伝とその意義 ―伝播の様相と土佐との関わりを探る― 一 はじめに 二 「花取踊」の流伝地とその様相 三 流伝地と土佐をつなぐもの 四 「花取踊」の伝播をめぐる視点 第五章 「花」とは何であったのか ―「花」の本意と「歌」の歴史的意義― 一 はじめに 二 土佐の俗信に見る「花」の意味 三 「いざなぎ流」に見る「花」の呪力、「歌」の呪力 四 花はツツジ、色は紅(くれない) 五 民俗の「歌」と「踊」の意義 第六章 「なもで踊」と「こおどり」 ―「風流踊」形成の史的考察、土佐の資料から― 一 はじめに 二 「風流踊」形成の歴史的概要と展望 三 「なもで踊」の展開とその芸態 四 「こおどり」の展開とその芸態 五 おわりに 第七章 土佐の風流踊歌 ―未紹介資料を中心として― 一 はじめに 二 文献に記録された「こおどり」の踊歌 三 吾川村峯岩戸(現仁淀川町)の「太鼓踊」 四 池川町椿山(現仁淀川町)の「太鼓踊」 五 越知町中大平の「太鼓踊」 六 伊野町大内(現いの町)の風流踊 七 大正町葛籠川(現四万十町)の「御伊勢踊」「団扇踊」 八 春野町仁ノ(現高知市)の古写本「花取躍」 九 おわりに 第八章 中世に遡る盆の踊歌 ―佐川町の玄蕃踊と津野町北川の笹見踊― 一 はじめに 二 佐川町の玄蕃踊 三 津野町北川の笹見踊 四 盆の踊歌の歴史的研究 第九章 稲作と民俗芸能「歌と踊」の軌跡 ―『巷謡編』に見る土佐の一年を主軸として― 一 はじめに 二 漂泊の祝福芸 三 予祝の神事芸能 田遊・田楽 四 囃し田の芸能と田植歌 五 虫供養(虫送り)と草取り歌 六 豊熟と収穫に寄与した風流踊 七 おわりに―呪的心性の変容と後退 第十章 「性愛」の歌の意義 ―呪的心性の変容と後退をめぐって― 一 はじめに 二 「直江兼続四季農戒書」に見る農耕と「性愛」 三 性愛の歌を阻んだ近代 四 「首狩り」に見る農耕芸能の原点 五 薩南諸島・黒島の八朔踊における歌詞変更 六 おわりに 第十一章 「よさこい節」の変遷 ―民俗芸能の活用と保存をめぐって― 一 はじめに 二 「よさこい節」の流行 三 「よさこい鳴子踊」の誕生と「よさこい祭り」の発展 四 民俗芸能の保存と活用を考える 終章 失ったものは何か ―「土佐民俗」研究の歴史― 一 はじめに 二 「土佐民俗」研究と桂井和雄 三 失ったものは何か 人名索引 あとがき |
検索ページへ
五十音書名一覧へ
(C)Copyright 2002 MIYAISHOTEN CO.,LTD. All rights reserved.