書名 音声表現思想史の基礎的研究
-信仰・学問・支配構造の連関-
シリーズ名
著者 清水眞澄
本体価格 8500円
ISBN978-4-8382-3164-5 C1021
発行年月 平成19年12月31日
判形・製本 A5判・上製
在庫情報
本書は、読経僧(経を読む僧)などをはじめとした、日本の古代から中世における読むことを専門とした人々の音声による表現、思想、歴史を探求した本邦初の書。具体的には音声(経読み)という研究領域の提示。音声(経読み)と人々の学問、信仰との関係性や、東アジアの政治と文化の中で音声(経読み)の思想が日本文化に与えた影響を解明する。日本の音声(経読み)文化を学習するための基本図書。

【目 次】
序章 修多羅衆から御読経衆へ/はじめに/大安寺と一切経転読/読む人々/読みと音声研究の展開/本書の概要と目的/結び第一編 音の思想 第一章 法音の伝来/はじめに/仏教東流/最初の経典法音の伝来/五経博士の力/声聞―仏教の受容/結び/第二章 法楽と音の仏たち/はじめに/妙音の思想/安然の求法と夢授/妙音天と琵琶/詩歌管絃と信仰妙音菩薩と音楽得道/結び
第二編 声技の人々 第一章 能読の経読み伝承−−道命の時代−−/はじめに/音芸「読経」とは何か/中古の道命―その実像/院政期の道命伝承/中世の道命伝承/結び/第二章 能読の系譜−−読経僧の自画像−−/はじめに/『読経口伝明鏡集』の諸本/能読の系譜/能誉と相承系譜/口伝と史実の間/能読と能説/結び/第三章 能読の世界−−後白河院の時代−−/はじめに/能読の実像/後白河院の時代/後白河院の近臣と御読経衆/結び/第四章 読む歌謡−−読経と音曲−−/はじめに/能読の条件/読経と音曲/音曲と学問/音と信仰―『読経口伝』から―/「読経音曲」/結び 
第三編 音の場 第一章 音の潮流−−厳島内侍考−−/はじめに/瀬戸内海の統合と厳島/都から厳島へ/厳島内侍の世界/歌謡研究の課題/結び/第二章 法会と歌謡−−平氏政権下の今様の管理をめぐって−−/はじめに/霊所参詣と法会/内侍と今様/神主と持経者/結び/第三章 『平家物語』生成伝承と書写山/はじめに/平家琵琶の形成/書写山と能読の世界/書写山と読経伝承/読経伝承と平家供養/書写山と伝承の展開/結び
第四編 音の伝承 第一章 声技の思想−−引声の系譜−−/はじめに声技の創成伝承/引声の由来/園城寺の声明/長声頭職の相承/結び/第二章 音の相承−−妙音院師長伝承の流域−−/はじめに/声技の創成/音の学問/相承と流派/妙音院流声明の諸問題/住吉明神と琵琶/結び/第三章 音の信仰−−妙音天をめぐる人と場−−/はじめに/妙音天信仰の由来/『右記』の所説/妙音天信仰の形/妙音天の所在/妙音院師長の後裔/結び/第四章 音と権力−−河海と琵琶−−/はじめに/仁和寺伝来の『渓嵐拾葉集』/縁起の集成と弁才天信仰の展開/西海の覇者/結び
終章 音の力



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